Vtuberファンの自警団行為は誰も幸せにならない

朝方こんなツイートを見つけた。

ちょうどその日の朝、よく見ているVtuberさんのツイートに対して僕がありがとうとか好きとか返信していた。

それに対してのいわゆる「お気持ち表明」だろう。

僕はこのツイートを見て頭の中が疑問符でいっぱいになった。

ありがとうとか好きとか気軽に言って一体何が悪いのか。

僕はこれでも一応30年以上人間をやらせていただいている。

そこそこ長く生きてきているが、いまだかつて「好き」という言葉を言われて傷ついた経験はない。

いつどこで誰に何度言われても嬉しいと思う言葉である。

もっとも、たまたま僕自身にそういった経験がないだけで、ひょっとしたら世の中の多くの人がこのツイートに「あるある!」と共感したりするのだろうか。
(実際この記事を書きながらツイートを見返したらいいねがいくつか付いていた)

そもそも僕がいつも応援しててお世話になっているVtuberさんがリスナーに好きとツイートで発信しているのに対して、同じく好きと返信することのどこに傷ついたり迷惑になる要素があるのか。

全く理解ができない。

自警団行為は誰も幸せにならないよ

こういったファン同士でこれ辞めろと注意したりあれしろと指示する行為を「自警団行為」といって配信者によっては配信の概要欄で明確に禁止している。

自警団行為の何がダメなのか。

それは最終的に配信者もリスナーも誰も幸せにならないからだ。

今回のように同じファンという立場でこういうこと言わない方がいいよとかこういうことはやめようと言ったとする。

言われたほうはどうなるか。
必要以上に発言や行動が萎縮されるのだ。

これだけ見ると別にいいではないか、その分迷惑な行為や発言が減るんだし配信者の代わりに注意してあげてるんだからむしろいいことじゃないかと思うかもしれない。

だがそれだけで済まないのだ。

なぜならこのように注意して成功したファンは、味を占めてそれ以降似たようなファンが出てきたときに同じように注意するようになる。

するとどうなるか。本来なら同じ立場であるはずのファン同士で上下関係ができるのだ。

ここで注目すべきなのは配信者自身の意見や意思が一切関わっていないということだ。

配信者自身が何も言ってないのに、ファンがこのような「越権行為」をすることでファン同士で上下関係が発生し、ファンコミュニティが「内輪ノリ」になりその結果新規のファンが付きにくくなったりファンが離れたりする。

配信者からしてみれば自身の発言や行動の結果ではなく、一部のファンの越権行為によって自身とは関係ないことでファンが離れたり新規のファンが付きにくくなったらたまったものではない。

コンテンツを消費する側はそのコンテンツを消費しなく(できなく)なっても生きていくうえで直接的な影響はないが、コンテンツを作る側はコンテンツを消費する人がいなくなれば死活問題である。

今回見つけたツイートは一見するとものすごく気遣いと優しさにあふれたものに思える。

しかしたとえ「お気持ち表明」であってもファンを萎縮させるのに十分だ。

つまり自警団行為だと言われても仕方ない。

それも配信中のコメント欄やコミュニティスペースならともかくTwitterでの「場外乱闘」である。
よりたちが悪い。

ちなみに僕は昨年、別のVtuberさんの配信中に同じくファンからの「自警団行為」の被害に遭い、それ以降ファンとはある程度距離を保ってできるだけ関わらないようにしようと思った経験がある。
(ファン同士の距離感に関してはあらためて別の記事で書いていきたいと思う。一記事書けるほどネタがあるので)

勘違いしないでほしいのだが、配信(発信)する側がこういったことを言われると傷つくとか、こういうことはやめてとか、そういったことを明確に言うならそれは従わないといけない。当然のことだ。

だがそうではなくファンの独りよがりな思い込みによる自警団行為は厳に慎むべきである。

少なくとも僕は他のファンの行動や言動に対して干渉はしないつもりである。

迷惑だったり非常識なファンの行動や言動に対する注意や対処は配信者自身が行うべきものだからだ。ファンがやるものではない。

僕がいまいちVtuberというコンテンツにハマり切れない理由の一つがこのような「過剰な」ファンの気遣いなのである。

もちろん誰が見ても明らかな社会常識に反した迷惑行為や発言は慎むべきだ。当然である。

だがそれ以上の気遣いはコンテンツを消費する側に必要だろうか?

僕は「オタク」歴が長いほうだと自負しているし、プロ野球や鉄道、声優など好きなものも多いほうである。

そのうえで書くが、様々なコンテンツに接してきた中で圧倒的にファンに気を遣わせるコンテンツがVtuberである。

配信者自身がファンに気を遣わせている例もあるが、多くはこういった「自警団行為」である。

Vtuberの歴史自体はせいぜい長くて5年そこいらであるが、このようにファンに過剰に気を遣わせる、自警団行為を行う「厄介オタク」が存在するコンテンツであり続けるならオワコンになるのも時間の問題だと思う。

シェアしてくれると喜びます。

感想等いただけると喜びます

コメントする