「年収200万円で豊かに暮らす」という本が炎上している。
僕も当然年収は高ければ高いほどいいと思ってるし、年収200万円は一人暮らしだとかなりキツイ。
結婚して家族を持つのはまず無理である。
その点で言えば炎上も無理はない話なのだが、本のタイトルのように「年収200万円」で「豊かに暮らす」こと自体は普通に実現できていると思うのだ。
当たり前のようにほぼすべての人が10年20年前のパソコンよりもずっと高性能なスマホを持ち、ネットの固定回線がいくら使っても定額制になった。
サブスクの誕生により、月数百円程度で一生を費やしても消費できないほどのコンテンツを楽しめるようになった。
今から20年ほど前なんてスマホなんてなかったし、パソコンやDVDの再生機器もない家がほとんどだった。
ネットの固定回線は今のスマホの通信容量と同じで、月何時間まではいくらでそこから15分とか30分ごとにいくらといった課金システムであった。
月数百円の負担とネット環境さえあれば無尽蔵にアニメが見れる今と違って、住んでいる地域によって見られるアニメの格差がすごかった。
音楽や映像作品を楽しもうと思えばツタヤに行って旧作4本1000円も払って借りたり、あるいは数千円もしくは数万円出してCDやDVDを買わないと楽しめなかった。
しかもAmazonや楽天なんてなかったから時間と交通費を負担して都市部の大きな本屋さんやCD屋さんに行かないと売ってないなんてこともめずらしくなく、その点でも地方と都市部の格差はすごかった。
年収とは関係ないが、私立の学校でもない限り冷房がないのなんて当たり前だったから夏場のテストなんて腕や手の汗がテスト用紙に付かないように解答するのに苦労した。
今なんて公立の学校でも冷房が完備されてるのがめずらしくないと聞く。ホントにうらやましい。
学校だけでなく今やかなり家賃の安いアパートでも冷暖房完備は当たり前になっている。
昔の方が明確にお金がないとどうやっても豊かな生活なんてできなかった。
僕は地方の山奥出身でお金もなかったので月に一回発行される月刊誌を買って、それを次の発売日まで
文字通り最初から最後まで何度も繰り返し読んだり、あとは深夜ラジオを聞くくらいしか娯楽がなかった。
年収200万円で経済的に自立して生活していくのは確かに難しいが「文化的に楽しみの多い」豊かな生活を送ることは実際可能な時代になったと思う。
少なくとも学生時代の自分が今の生活を見たらなんて楽しい生活してるんだ!と驚くことだろう。
これだけ娯楽があふれてて、しかもそれらが小学生の小遣いでも余裕で払える金額で無尽蔵に楽しめる時代は間違いなく「豊かな」時代だ。
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