誕生日にはバースデーきっぷで四国に行こう(後編)

8000系の特急しおかぜに揺られること約2時間半。ようやく愛媛県の松山に到着した。

ここにもアンパンマン

到着して駅から降りると、10年以上前に松山に来た時とさほど変わっておらず「そうだったこんな感じだった」と当時の記憶が次々とよみがえってきてなつかしい気持ちになった。

宿泊先が大街道(おおかいどう)という松山市内の中心地だったので、そこまで伊予鉄道の路面電車で行ったのだが10年以上前に訪れたときと違って新しい車両がたくさん入ってて面食らった。

10年以上前に来た時はこの車両ばかりだった

松山駅から路面電車に乗り換える際に駅構内においしそうなうどん屋さんを見つけたので後で行くことにした。

約10分ほどで大街道の停留所に到着し、宿泊先のチェックインを済ませて先ほど見つけたうどん屋さんへ行くため再び松山駅へ。

うどんと焼豚玉子丼のうまさが異常

じゃこ天うどん

愛媛の名物であるじゃこ天が載ったうどんを注文。画像を見ても分かる通りうどんの角がしっかりあって見るからにコシがあるのがわかる。

四国はうどん県があるため、隣の愛媛でもうどんはしっかりコシがあって非常においしかった。

関東のうどんはやたら細いし、味が濃すぎてすすんで食べようと思わないのだが四国のうどんは何杯でもいけそうなくらいおいしい。

そのあと松山駅周辺をぶらぶらしていたのだが、朝からほとんど何も食べておらずお腹にかなり余裕があったので目に付いた「焼豚玉子丼」に惹かれて駅前の定食屋に入った。

焼豚玉子丼とか絶対まずいはずがない。

焼豚玉子丼半ラーメンセット

焼豚玉子丼と半ラーメンのセットを頼んだのだが、どう見ても半ラーメンの大きさではなかったw。

もちろんまずいわけがなく、めちゃくちゃうまかった。

焼豚玉子丼はどうやら今治市の名物らしい。こんなええもの食ってるのか今治市民は。

普段ギスギスした環境で暮らしていることに気づかされた

それにしてもここの定食屋でご飯を食べて気づいたのだが、ちゃんと注文の時に店員さんと目が合うしお客さんと店員さんがフランクに話してたり実に雰囲気が良かった。

こういった感じのお店でご飯を食べたのはかなり久しぶりな気がした。少なくとも関東では全然ない。

関東に来てから外食することがほとんどないのは、客が多すぎてお店や店員がギスギスしていて事務的で居心地の悪い思いをしながらご飯を食べるのが嫌だからなんだなと思った。

普段生活していると全く気づかないが、松山にやってきて実は思った以上にギスギスした世界で生活していたことに気づかされた。

食べ終わってから隣にある土産物屋へ。

じゃこ天から銘菓タルト、坊ちゃん団子にポンジュースとこれまた10年以上前に来た時とラインナップが同じだった。

自宅で撮影したじゃこ天。おいしい。
同じく自宅で撮影した愛媛銘菓タルト。どこからどう見てもタルト。

一つ違ったのはずっと店内で水樹奈々の曲が流れていたことだ。さすが愛媛。地元のスターであろう。

ホテルに戻ってこの日は飛行機からのほぼ四国横断で疲れたので休むことにした。一日目終了。

特急宇和海で宇和島へ

二日目。ホテルの朝食バイキングで出た鯛の炊き込みご飯がうますぎて食べ過ぎてしまった。

今日は一日何も食べる必要ないなと思いつつ、ホテルをチェックアウトして松山駅へ。

特急宇和海に乗って宇和島駅へと向かう。

終点宇和島駅にて撮影

平日だし全然誰も乗らないだろうと思っていたら自由席車両の乗車位置にかなり多くの人が並んでいてあせった。

多くが自分と同じ観光客ぽい人たちだったが、スーツを着てこれから出張先に向かうような人も見受けられた。

地方のローカル鉄道線は客が全然いなくて大赤字というニュースをよく聞くが、実際に行ってみると時間帯によっては「結構客乗ってるやないか、これで赤字なのか?」みたいな場面によく遭遇する。

なので油断すると痛い目に遭う。

果たして座れるだろうかと心配したが、結局無事に自由席車両に着席出来た。

この特急宇和海も時刻表を見る限り、海沿いを走るように見えるのだが実際に乗ると海は全然見えずひたすら山道を縫うように走っていた。

松山から約1時間20分で宇和島駅に到着。

今回宇和島駅まで来たのはどうしても見たい車両があるためだった。

その車両が到着するまでしばらく駅周辺を散策。

宇和島でかなりあせった思い出を語る

宇和島は自分にとって結構嫌な思い出の地である。

10年以上前に四国に来た時、宇和島で宿泊することになった。

高知から窪川を経由して予土線で宇和島駅に到着したのが20時だったのだが、なんと駅前にコンビニ一つなく駅周辺に開いている店も一切なく真っ暗という有り様だったのだ。

宇和島で何か食べるものを調達するつもりだったので当時の僕はかなりあせった。

なんせ貧乏旅行で素泊まりの安いビジネスホテルで宿泊予定だったので、食料が調達できないと晩飯どころか次の日の朝食すらない状態だったのだ。

すぐに僕は駅構内に戻り、閉店準備しかけていた売店でとりあえず売っていたじゃこ天を大量購入して(パンやおにぎりや弁当は全部売り切れていた)なんとか事なきを得たのだ。

あのとき駅の売店すら閉まっていたら晩飯も朝食も抜きで旅行を続けるハメになっていたのだ。なので当時の駅売店とじゃこ天には感謝しかない。

宇和島駅周辺がかなり発展していて驚いた

10年以上ぶりに訪れた宇和島駅はかなり発展していた。

まず駅直結で大きなJR系列のキレイなホテルが出来ていた。

そして以前訪れたときはコンビニ一つなく駅前は閑散としていたのだが駅構内にセブンイレブンが、少し離れた場所にはローソンがあり、食料調達に全く困らない状態になっていた。

10年ちょっとでここまで変わるのかとかなり驚いた。

ちなみに以前訪れたときに宿泊した安いビジネスホテル、以前と全く変わらない姿で存在していてそのことにも驚いた。宇和島に到着して驚きっぱなしであった。

ついにあの車両がやってきた

そしてついにあの車両がやってきた。

新幹線0系(?)
反対側は全然新幹線ではなかった

正式名称は鉄道ホビートレイン。

https://www.jr-shikoku.co.jp/yodo_line/tetsudohobby.html

初代新幹線0系に無理やり(?)似せるために旧国鉄型車両を改造したことで有名になった。

実物を見ると、新幹線0系に似ているかと言われると全然なのだが見ていて面白い車両であった。

これを見るためだけにわざわざ松山から宇和島まで来たのだ。

予讃線とこの車両が走っている予土線の接続がかなり悪く、予定の調整がかなり難しかったがなんとか実物を見れてよかった。

景色がキレイと有名な下灘駅を目指すも期待外れ

無事に新幹線(?)を見れて満足したので、再び特急宇和海に乗って八幡浜へ。

そしてそこから普通列車に乗って予讃線(海側)を経由して松山へ戻る。

その道中に景色がキレイと有名な下灘駅がある。

しかし期待して乗ってみたのだが道中ずっと山奥をひた走る路線で一体どこに海が?と思った。

道中の景色

結局海がキレイに見えたのは喜多灘駅から下灘駅までのわずか3駅間だけであった。あとは全然海が見えない。

この3駅間の景色のためにJR四国は「伊予灘ものがたり」という特急を走らせている。

確かに景色はキレイだったが、この短い区間のために特急を走らせるのもなぁ・・・と思った。

自分が乗っていた普通列車は始発駅から乗客10人程度で、ホームに1人も乗客が待っていない駅ばかりだったのに下灘駅に着くと少なくとも30人くらいの人が景色の撮影に来ていて驚いた。

しかも結局誰一人列車には乗らないという始末。

みんな車で駅を見に来て、SNSにアップするために撮影だけして車で帰るのだ。
JR四国には一円もお金が落ちない。

本末転倒である。

松山空港へ行くリムジンバスがヤバかった

松山駅に到着後、帰りの飛行機に乗るためにリムジンバスで松山空港へ。

このリムジンバス、地味に不便で困った。

まずリムジンバスのバス停に空港までの所要時間や運賃が書いていないのだ。

所要時間はともかく、運賃を書いていないのは公共交通機関としてまずいのではないか?

webサイト見ればいいじゃないかと思うかもしれないが、そのアドレスやそもそもそのサイトがあるかどうかすら案内がないのはいかがなものかと思った。

しかも運賃は700円なのだが交通系ICが使えない。

なので小銭を用意する必要があるのだが、車内アナウンスで「小銭が不足しておりますので出来る限り前もって小銭を用意していただきますようお願いいたします」などと言う始末。

バス停に運賃が書いてあれば前もって用意できるのにそれを記載せず、乗車後にアナウンスされてもどうしようもない。

これじゃリムジンバスではなく「理不尽バス」である。

不満に感じつつ松山空港に到着。

都市伝説だと思っていたポンジュースの蛇口を発見!

時間まで松山空港をうろついていると、都市伝説だと思っていたポンジュースの蛇口を発見した。

以前から愛媛県にはポンジュースの出る蛇口があるという噂を聞いてはいたのだが、まさかホントにあるとは思わなかったので見つけたときはかなりテンションが上がった。

もちろんタダではなく紙コップ一杯350円とポンジュース代としては割高なのだが、一種のアトラクション代として考えるとまあ妥当な値段だと思った。

早速やってみると思いのほか蛇口からポンジュースが出る光景が面白くてかなり楽しめた。

当然蛇口から出てきたポンジュースもおいしかった。

どれだけ不機嫌な人もこの蛇口を回したら一瞬で笑顔になること間違いなしである。

現代のストレス社会において配るべきは金ではなくポンジュースの出る蛇口なのではないかと思う。

愛媛に来たらぜひやってほしい。

久しぶりに旅の終わりが名残惜しく感じた

無事に松山空港から羽田行きの飛行機に乗り帰宅。

空港で搭乗待ちしている間、久しぶりに旅の終わりが名残惜しく感じた。

正直言えば「関東に帰りたくないな」と思ったのだ。

特に松山は将来ここに住んでもいいのではないかとすら思った。

ほどよく都会だし、かといって関東ほど人はおらずどこかのんびりした空気が漂っていた。

市内中心部はひっきりなしに路面電車が走っているし市内の交通の便は問題ないだろう。

聞くところによると家賃も相当安いようである。

将来の永住先リストに加えておこうと思う。

2記事に分けるほど記事が長くなってしまったが、実に濃い2日間の四国旅行であった。

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